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糖質オフダイエットとプチ断食、効果を医学博士が検証

次々に出てくるダイエット法のなかでも、ベーシックとして定着しつつあるのが、「糖質オフダイエット」と「プチ断食」。2つのダイエット法について、栄養学の観点から伊藤史子ドクターが分析。

自分に合う、合わない、できる、できないも含めて、最適なダイエット法探しの参考に。

 

糖質オフダイエットとプチ断食、効果を医学博士が検証

伊藤史子先生
医師・医学博士。あやこいとう クリニック院長。日本医科大学高度救命救急センター、昭和大学病院を経て、自由が丘クリニック、松倉クリニックなどで、肌のみならず全身が美しくいられるための治療法をマスターした後、予防医療、アンチエイジングを専門とするクリニックを開院。分子整合栄養学やナチュラルホルモン補充療法にも精通する、インナーケアのスペシャリストとして、雑誌などの取材を受けることも多い。

糖質依存からの脱出に効果テキメン

──実際に痩せた人が続出している糖質オフですが、栄養学的にはどうなのか、気になります。

現代社会では、一般的に糖質を摂り過ぎる傾向が強く、糖質依存に陥っている人が多いといえます。健康な人に限りますが、それを見直し、胃腸をリセットする意味では、糖質オフは有効です。

方法としては、糖質カットと糖質オフがありますが、短期決戦なら、糖質をすべて排除する糖質オフが◎。糖質カットでも効果がありますが、糖質はそもそも依存性が高いもの。

量を減らすカットは、かえって難しい場合がありますし、依存を断つ意味でも、糖との接触はできるだけ避けるほうがいいですね。

ご飯などの炭水化物を3食ともに抜いて、飲み物も水やお茶だけに留め、イモ類やカボチャ、果物の摂取も控えましょう。

脂肪を糖に変える特殊回路を起動させるのに、3日~2週間の糖質オフが必要だといわれますが、繰り返し行って回路をいったん目覚めさせれば、短時間でこの回路を使えるようになります。

さらに、腸の粘膜は3日程で入れ変わるので、体内環境もリセットできます。

これらを踏まえて、糖質オフのオススメ期間は、1回につき3日。これを2週間に1度ずつ、2〜3回程、繰り返します。

その後は、食べ過ぎたと思ったときや、週末などに、調整程度に行いましょう。

糖質オフダイエットとプチ断食、効果を医学博士が検証

糖質オフはリバウンドしやすい

──糖質オフを短期間に繰り返す方法がいい理由が、もう一つあるとのことですが?

乳酸や筋肉、脂肪などから、糖をつくり出す回路を呼び起こすことが目的だと言いましたが、これは脳が、糖質が体内に入ってこない絶体絶命の状態であると認識するからです。

この状態が続いた後に糖質を摂ると、今度は、次にいつ摂れるか分からないから、糖質を脂肪に変換して、身体に溜め込んでおこうとします。

また、糖質を摂ることで、“あー、よかった”という安心感が快感につながり、糖への依存が高くなる可能性も大きい。

健康な人に限り、一生、炭水化物を抜き続ける覚悟があるならいいと思いますが、現実的にはかなり難しい。再び糖質を摂り始めることを考えると、継続的な糖質オフは賛成できませんね。

グルテンフリーは、アレルギー対策として

──小麦粉に含まれるグルテンを摂らない食生活をする、グルテンフリー。糖質オフに次ぐ、新たなダイエット法として注目されていますが、果たしてその実態は?

糖質オフとは少し異なり、アレルギー対策の要素が強いと思います。小麦粉に含まれるグルテンは、セリアック病などの病気を引き起こしたり、遅延型フードアレルギーの原因になったり、また頭痛や肌荒れなど多岐にわたる不調につながることも。

なので、グルテンに対するアレルギーを持っていたり、パンやパスタなどグルテンを含むものを食べると体調が悪くなる人は、避ける方が◎。

もともと人間は雑食ですが、どの食材でも、同種の物を食べ続けるとアレルギーを起こす可能性が高い。また、グルテンを消化する労力は大きく、腸の粘膜が疲弊し、免疫機能の低下につながることもあります。

そういう意味では、グルテンを含むパンやパスタばかり食べるのはやめて、いろいろな種類の糖質を摂取するほうがいいともいえます。

プチ断食(ファスティング)の効果・ベストなやり方とは

──基本的な食事はお休みして、ドリンクなどだけで2~3日過ごすのが、プチ断食(ファスティング)。酵素ドリンクやコールドプレスジュース、スムージーなどいろいろありますが、どれがベストなのでしょうか?

プチ断食は、日々の食べ過ぎで拡大した胃の大きさを、リセットする役割があり、さらに腸内環境もリセットしてくれます。内臓を休める効果もあって、メリットだらけです。

ただし、大切なのは、何を飲んで行うか、ということ。

酵素ドリンクやジュースなどは甘いものが多く、一気に血糖値が上がってしまうものも多いので、考えもの。単糖類の果糖を含むブドウより、糖の少ない柑橘類等を使うのもいいですし、豆乳や牛乳で割って血糖値の上昇を緩やかにするなど、材料選びが重要です。

また、食物繊維を含むスムージー等のほうが、ジュースよりは血糖値の上昇が緩やかになります。

プチ断食(ファスティング)は、だし汁がベスト

最近のオススメは、アミノ酸をたっぷり含んでいて、しかも糖質を含まない、だし汁です。北欧では、肉からだしをとって作るスープを用いた健康療法が、流行し始めています。

栄養学のプロが考える、ベストなダイエット法とは

──では、栄養学的な観点からいって、ベストなダイエット方法とは?

大切なのは、その人がどういうタイプの人かということ。糖尿病の人が断食を行うのはとても危険ですし、筋肉量があまりない人はタンパク質を制限するべきではなく、ストイックな糖質オフを行えば、リバウンドに苦しむ可能性もあるでしょう。

基本的には、糖質を摂り過ぎないようにして、主食はタンパク質!というくらいのつもりで。その上で、運動やトレーニングを行って、筋肉量が落ちないようにすることが、大切だと思います。

それぞれの特徴をしっかりと把握して、身体に無理のないダイエット法を見つけてください。

文・楢﨑裕美

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